FENDER Kurt Cobain Jaguar

「FENDER Kurt Cobain Jaguar」はFender Mexicoより販売されているギターで、1990年代初頭に流行したグランジミュージックの代表的なバンド、NIRVANAの中心人物であったカート・コバーン氏が使用していたギターを精巧に再現したレプリカモデルです。

このギターにはコバーン氏が使用していた当時の傷や塗装の剥げ具合まで再現した「Road Worn Aged Finish」と、通常の塗装を施した「NOS」の2つのバージョンがあり、さらにコバーン氏は左利きだったのですが、彼と同じ左利き用モデルだけでなく右利き用のモデルも販売されています。

中古から改造が始まった

このギターはコバーン氏が1991年に中古で購入した1965年製のジャガーが元になっていて、コバーン氏が購入した当初からその以前のオーナーによると思われる様々な改造が施されていました。

そのため通常のジャガーとは異なった特徴が数多く見られ、まず見た目の面ではストラトキャスタータイプのヘッドや、バインディングとドットタイプのポジションマークが施されたネック、ピックアップはシングルコイルからハムバッキングに、コントロールノブは通常の2つから3つに、ピックアップスイッチやブリッジはレスポール等に使用されているものと同様のものに交換されています。

トグルスイッチで演奏がスムーズに

演奏面に関しては、ピックアップスイッチがトグルスイッチに交換されたことによりピックアップの切り替えが容易になり、ピックアップスイッチを演奏中に誤って触れてしまい、音が出なくなるような問題を回避することができます。

またブリッジがチューン・O・マチックタイプに交換されていることから通常のジャガーの問題点であったチューニングの不安定さや弦をベンドした際に弦がブリッジからはずれ落ちてしまうという短所が改善されています。

バランスの取れたサウンド

サウンド面ではフロントピックアップにクリーンな音から歪んだ音までバランスの取れたサウンドが得られるDiMarzio社のDP-103 PAFが搭載されていて、リアピックアップには激しく歪んだサウンドが得られる同社のDP-100 Super Distortionが搭載されていることから通常のジャガーで聴けるようなシャープなサウンドとはかけ離れた激しく強烈なサウンドを出すことができます。

このギターはNIRVANAを一躍有名にしたアルバム「NEVERMIND」がレコーディングされた時期に使用されていたギターのレプリカということもあり、同アルバムのギターサウンドに近いサウンドで演奏することができ、例えばフロントを使うことで「Come as You Are」や「Lithium」などの曲で聴けるクリーントーンが、リアを使えば「Smells Like Teen Spirit」や「Territorial Pissings」などの曲で聴ける荒々しいディストーションサウンドを得ることができます。

「FENDER Kurt Cobain Jaguar」はその見た目もサウンドもまさにカート・コバーン氏が使用していたものと同じものであると思えるほどの素晴らしい出来で、NIRVANAファンの方であれば購入して後悔するということは無いと思います。

またネックがショートスケールなので手の小さい方や女性でも弾きやすく、実用性も向上しているのでライブで演奏する際にも使いやすいギターとなっています。