12弦ギター
スポンサード リンク
ギターの弦は6弦が基本ですが、その倍の弦を持つ12弦ギターも存在します。クラシックギターの世界では6本の弦のギターよりも広い音域を持つナイロン弦のギターも存在しますが、12弦ギターと普通に言うとポピュラーミュージックで使われるスチール12弦のアコースティックギターのことがほとんどですのでここでもそちらを紹介します。
6弦も12弦も音域は一緒
弦が12本と言っても普通のギターの2倍の音域をカバーするギターではなく、音域でいえば同じです。そして演奏法も同じです。12弦ギターは、2本ペア×6セットの弦がセットされているというだけで演奏法としては6弦ギターとほとんど同じなのです。
ギターの6本の弦にそれぞれ複弦が張られているという構造で、12本が均等の幅で張られているのではなく、2本ずつ寄り添う形で6セットになっているのがわかると思います。1本を押さえる感覚で2本まとめて押さえられるようになっているのです。
2本ペアの内訳は1~3弦のそれぞれの複弦は全く同じ太さの同じ音程の弦が張られています。例えば1弦3フレットを押さえると、全く同じGの音がユニゾンで2つ出ます。4~6弦は1オクターブ高い同じ音程の複弦が張られています。例えば5弦3フレットを押さえると、Cの音と高いCの音のオクターブの音が出ます。
スポンサード リンク
ややこしいですが、6弦ギターと同じように、C F G C といった風に普通にコードを押さえてジャカジャカ弾くだけで、まるで2本のギターで演奏しているようなキラキラした分厚い伴奏ができるというのが、12弦ギターのメリットそのものです。
12弦ギターが使われる音楽
こういった厚みのあるコードストロークのメリットから、フォークやカントリーのジャンルで多く使われていますが、ロック系でもその特色を生かして、レッド・ツェッペリン「天国への階段」、イーグルス「ホテル・カリフォルニア」のイントロで印象的な音色を響かせています。
あまりに有名ゆえ、楽器屋さんで12弦ギターを試奏するとほとんどこのどちらかだったり、この曲を演奏したいがために12弦ギターを購入するという人もかなりの数に上るようです。ユニークな特性を持っているものの、これをメインで使用するアマチュアミュージシャンがあまりいないのはやはり12本も弦があるゆえのチューニングの苦労からではないでしょうか。弦がたくさんあるので、順番に12本目の弦をチューニングし終わったころには、1本目の弦がまた狂っているという果てしなさをいつも12弦プレイヤーが嘆いています。そして、チューニングがそろっていることこそがこのギターの美しい音色を支えているゆえにそれをおろそかにできないことも事実です。
ただ、12弦ギターの魅力は、ユニゾンで全く同じ音程の弦が鳴っているとしても、ごく微妙なずれが絶対に生じていて、その揺らぎが音楽的な感情に訴える美しさとなっているということです。これは打ち込みで同じ音の厚さを表現しても、6弦ギターの演奏をエフェクターで12弦風に加工しても、本物にはかなわないことが、この12弦ギターならではの音楽的メリットを証明しています。
スポンサード リンク
関連記事一覧
関連ギター一覧
-
FENDER Kurt Cobain Jaguar
「FENDER Kurt Cobain Jaguar」はFender Mexicoより販売されて
-
PLAYTECH TL-250
廉価なギターとしてのスタンダードと言えるPLAYTECH TL-250。税込みで1万円しないギタ
-
SCHECTER PA-LS/TK
SCHECTER PA-LS/TK は「凛として時雨」のギター・ボーカル担当TKのシグネイチャー
-
PLAYTECH PTRS WOOD
今回はリゾネーターギターと呼ばれている特殊なギターを紹介してみたいと思います。ギターは大きく分け
-
FENDER Classic Series 50s Stratocaster
世界的にトップ的なシェアを誇っているフェンダーのストラトキャスター。フェンダーのギターといえば確
-
AXL GUITARS AL-1090
今回は、個性的なエレクトリックギターを数々生み出しているアメリカのギターメーカー、AXL GUI
-
FENDER Modern Player Telecaster Thinline
Fender Modern Player Seriesは個性的なスペックと低価格を特徴としたシリ
-
FENDER Danny Gatton Signature Telecaster
「無名であるが偉大なギタリスト」と称され、カントリー、ブルース、ジャズ、ロカビリー等を弾かせると
-
ARIAPROII PE-512
ボディの美しい模様がなんとも魅力的!ギタリストの所有力をくすぐられてしまうARIAPROIIのエ