カポタスト

カポタストとは？

カポタストは、ネックに挟むことで、指の代わりに弦を押さえてくれる器具です。カポタストを使うことのメリットは次の2点です。

a.開放弦を移調できる
b.いつものコードの指の形で違う音程のコードを鳴らすことができる。

移調と聴くと身構えてしまうかもしれません。そこで、もう少し噛み砕いて、カポタストの使い方を見てみましょう。お手元にギターがある方は、膝の上に置いて音を鳴らしながら読んでくださいね。

なぜカポタストを使うのか？

カポタストをネックに装着することで、1弦から6弦まで全ての開放弦の音程を上げることができます。

例えば、2フレットの位置にカポタストを装着すると、開放弦の音程は１音上がります。6弦の開放弦の音E（ミ）が、6弦2フレットF#（ファ#）となります。このときに、いつもどおりのEのコードを押さえると、どうなるでしょうか？全部の弦が1音(全音）ずつ移調したことになるため、Eコードの指の形で、F#コードの音程が鳴ります。

F#コードの指の形はFと同じセーハコードです。これがEコードの指の形ならセーハの必要がありません。少しだけ押えやすくなりますよね！このように、カポタストで開放弦の音程を変えれば、セーハコードをたくさん押さえなきゃいけない曲も楽に弾けるようになります。

カポタストの形状の種類

カポタストを選ぶ基準はたった2点だけです。それぞれの基準は、形状に影響しています。

着脱の容易さ

ライブ中に手早く着脱できるかどうかは、カポタストを使う上で非常に重要です。クリップ式・バネ式と呼ばれる構造をしています。

音程への影響

カポタストが弦を押える強さによって、開放弦の音程が変わります。カポタストの中には挟み込む強さを調整できるものがあります。より正確な音程を求める方は、こちらを考慮してみましょう。ねじ式と呼ばれる構造のものが代表的です。

おすすめカポタスト

以上の「選び方のポイント」を踏まえて、具体的な製品を見てみましょう。

KYSER ( カイザー ) / KG6

バネ式の定番であるKYSER社のカポタストです。クリップのような形状であるため、初めての方でも用意に装着できるはずです。使わないときはギターのヘッドに挟んだり、身近なところに挟んでおけるのもポイントですね。

PLANET WAVES ( プラネットウェイブス ) / NS CAPO

ねじ式のカポタストです。PLANET　WAVESというメーカーです。マイクロメータースクリューと呼ばれる手巻きのネジで、締め付け具合・チューニングのズレを調整することができます。

TONE GEAR ( トーンギア ) / SPIDER CAPO

ここ数年話題の革新的なカポタスト、なんと各弦を独立して押えることができるカポタストです。例えば「5フレットに装着して、6,5,4弦は抑えず（開放弦）、3,2,1弦は抑える」というような使い方になります。開放弦の響きでコードを作ったり、キーにあわせた使用方法で新たなチューニングを作ることができます。ソロギター奏者やカントリー奏者を中心に、より新しい奏法・楽曲のヒントになっているようですね。

カポタストを活用すれば、ギターでは抑えにくいコードの曲が弾きやすくなります。弦が固いアコースティックギター奏者はもちろん、開放弦を使った新しいフレーズを考えたいエレキギター奏者にもオススメです。ぜひ、ご自身の演奏に取り入れてみましょう。